JPSTSS 一般社団法人 日本脊椎・脊髄手術手技学会

ENGLISH
7th Europe tour report ❷

第7回欧州手術見学ツアーレポート❷
2019年10月14日~10月18日に実施した第7回欧州手術見学ツアーを参加者8名がレポートいたします。

第7回欧州手術見学旅行 東京女子医大 整形外科 和田 圭司

和田 圭司

今回JPSTSSによる第7回欧州手術見学に参加させて頂きましたのでご報告致します。見学旅行は10月13日(日)の朝11時10分、成田空港発のスカンジナビア航空でコペンハーゲンに向かう予定としておりました。しかし台風19号が強い勢力を保ったまま関東地方に近づいていました。当初、成田空港へ13日の朝に向かう予定でしたが、12日の午後から13日の午前中にかけて各鉄道会社が計画運休を決めていましたので、急遽12日に成田空港近くのホテルを予約し、前泊して成田空港に向かうことにしました。まだ12日の時点では、自分の便が運航されるか分からなかったのですが、13日の早朝に運航されることが決まり成田空港へ向かいました。成田空港に着くと、約80%のフライトが欠航となっていましたが、スカンジナビア航空は出発することができました。後日伺いましたが、参加者のほとんどがコペンハーゲンに向かうのに苦労されていました。

●10月13日

和田 圭司

コペンハーゲンに夕方到着し、そのまま参加者と翌日見学予定となっているSpine Unit, Dpt. of Orthopaedic Surgery, Rigshospitalet , University of CopenhagenのGehrchen先生、Robert先生と会食しました。

【写真左:Gehrchen、Robert先生とチポリ公園内で。左からRobert先生、Gehrchen先生、和泉先生、熊野洋先生】

●10月14日

和田 圭司

この日は前日会食した、Gehrchen先生の手術見学をするためにRigshospitalet病院を訪れました。

本病院では以前にT9-Iliac後方固定、L3PSOを施行されている症例のsagittal imbalanceに対して、T4からの再固定及び、L4PSOの手術を見学しました。 手術はまず助手のRobert先生と旅行参加者の和泉、斉木先生で始まり、展開が終わったところで、Gehrchen先生が登場しT4からの椎弓根スクリュー挿入を行いました。

スクリュー挿入はフリーハンドで手際よく行っておりました。その後fusion massを取り除きL4のPSOを行いました。骨切りには超音波骨メス、独自のノミ等を使用し、Grade3の骨切りを行っていました。骨切り後のアライメント矯正はベッドを折り曲げることにより前弯をつけていましたが、ベッドの仕組みが分からず残念でした。骨切り部に4ロッドで固定していましたが、ロッド補強部位はスクリューヘッドが2つになっている日本ではまだ使用できないインプラントを使用していました。約4時間ですべての工程が終わり、非常に手際の良い手術でした。

和田 圭司

我々はその日の夕方にヘルシンキに向けて経つことになっていたため、術後X線は見学中に確認できませんでした。ヘルシンキ到着後、ホテルで会食をしました。

●10月15日

和田 圭司

15日は第13回IGASS Forumがありました。Spinal Tumor、Spinal Surgery in Parkinson Disease、Pitfalls of New and Emerging Technologiesが主題となっており、筆者はA case of bone tumor of the C2 vertebraの内容で発表しました。C2に椎体に発生した骨軟骨腫をO-armナビゲーション下に摘出したとう症例報告でした。一般的な学会と違い、症例についてディスカッションをしながら進行していくので、数多くの質問を受けることができました。

英語でのディスカッションをする機会があまりないのでいい経験になりました。IGASSの夜は、IGASSメンバーとのディナーがあり、親交を深めました。

●10月16日

和田 圭司

この日はヘルシンキから車で約2時間離れたTurkuでの手術見学でした。Turku大学のIlkka先生の手術で、AISに対するVertebral Body Tetheringという手術でした。この手術は、前方から小皮切で進入し、椎体をスクリューとバンド(ネスプロンテープのような)で矯正する手術です。本手術はこれまでに見たことがなく、Eurospineでもトピックになっていて今後の発展が期待されています。手術見学のあとはTurkuの観光をし、電車でヘルシンキに戻りました。この夜は、ヘルシンキのタイ料理店で会食を行い、MilanoのGaleazzi先生、BordeauxのObeid先生も参加されました。

【写真右:Turkuからの帰りは電車に乗りました。左から斉木先生、熊野洋先生、長谷先生、筆者、和泉先生、熊野潔先生、山崎先生】

●10月17日

この日は手術見学の予定がなく、Eurospineに参加する人、観光をする人に分かれました。筆者は街歩きをし、現地の人々の暮らしぶりをみるのが好きなので、ヘルシンキの街歩きをしました。ヘルシンキは近代的な街で、多くのデパートがあり、デパートの中にあるムーミンショップに行きショッピングを楽しみました。この日の会食には、ViennaのSabitzer先生が参加されました。

●10月18日

筆者はこの日が帰国日でした、もう一日滞在する参加者、サンクトペテルブルグに移動する参加者などがおりました。筆者は新潟の山崎先生、和泉先生と便が同じでしたので成田空港まだご一緒させて頂きました。復路は往路と違い、問題なく時間通りに帰れました。

●最後に

この度は欧州手術見学旅行を通じて多くのことを学べました。コンダクタの熊野潔先生、山崎先生、長谷先生、マネージャーの熊野洋先生には大変お世話になりました。また和泉先生、斉木先生、半井先生を含め皆様と様々な情報を交換できて、今後の診療に活かせそうです。本当にありがとうございました。

ページトップへ戻る