第7回欧州旅行見学に参加して　関東労災病院　脊椎外科　半井 宏侑

第7回欧州手術見学旅行に参加する機会を頂いたので、IGASSでの内容を中心にご報告させて頂きます。

●ツアー

当初はCopenhagenでの手術見学から参加する予定でしたが、台風19号が東京を直撃したために予定していた便が欠航となり、急遽中華系航空会社の便への変更を余儀なくされ、トランジットの際に預けたスーツケースが四川省に置き去りとなるというハプニングも重なりました。凍える寒さの中、薄着とリュックのみという状態で辛うじて到着し、何とか先に到着されていた先生方にHelsinkiで合流することができました。

●IGASS

10月のHelsinkiは東京の真冬に近い気温で毎日小雨が降る天気が続きましたが、13th IGASS Forumが開催された日は貴重な晴れ間がのぞき、会場からは美しい港町が一望できました。
”Spine tumors”、“Spinal surgery in Parkinson’s disease”、“Pitfalls of new and emerging technologies”の3つのセッションに分かれて計14演題（日本からは7演題）の発表が行われ、参加者はヨーロッパを中心に中東、アフリカ、東アジアと多岐に渡り、各国の先生方と会食する時間が設けられていました。会食の際に隣に座られたBeijing Tiantan hospitalのBaoge Liu先生はEurospineのCommittee memberも兼任されており、脊椎外科における中国のプレゼンスの高まりを実感しました。発表としては、変形矯正術後の過前弯に対して前弯を減弱させるreverse osteotomyの症例や、1歳児の神経線維症に伴う頸椎後弯症に対してTaylorフレームをhalo vestと組み合わせて用いた症例など印象的な内容が多数ありました。

筆者は関東労災病院でのIliosacral screwを用いたサルベージ手術の症例をCentre Toulousain du RachisのSebastien Charosky先生の座長の元発表しましが、普段学会でも話す機会のない高名な先生方と気軽にディスカッションできるIGASSならではの良さを感じました。

●手術見学

手術見学旅行ではTurku大学でのanterior spinal growth tetheringの手洗いや、同行された経験豊富な日本の先生方との交流をすることができました。

今回、個人的にEurospine 2019でも発表しましたが、学会に参加するだけでは得難い貴重な経験をさせて頂き、非常に充実した1週間となりました。これもコンダクターの熊野潔先生、山崎昭義先生、マネージャーの熊野洋先生をはじめ、一緒に参加させて頂いた先生方のおかげです。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。